『雪』1998年 ソフトグランド・エッチング、グワッシュ / 紙 20×16cm  ©️Yoko Yamamoto


Artist's Notes:
「雪やこんこ」の「こんこ」とは。私には「雪が昏昏(こんこん)と眠るように降る」とのイメージがあったけれど、語源的には「雪よ来(こ)う来(こ)う」、雪を待つ気持ちを表現するものだった。絵の中の犬はすべてルーカス。「犬は喜び庭駆けまわり、猫は炬燵(こたつ)で丸くなる」(※左)様子を対比させたが、実はルーカスは雪が嫌いな犬だった。なのに雪にまみれている姿こそ昏昏のイメージだ。雪はどこから降ってくるのか空を見上げ、雪を食べたり、鼻の上に乗った雪を眺めたりしている(※右)のは、子ども時代の私である。「W N W N W(ワン、ワン、ワ)」と犬の声も描き入れてみた。

   


雪が降り積もったベランダ。シンとしていて明るい夜。
明るさの原因は降ってきそうな星たち。
群青色の夜空に輝くオリオン座が、枯木に網をかけていた。
シン。シーン。無音なのに耳に響く音。
青い色が群れて出来る、濃くて深い夜の色。
明るさを感じてしまう雪の白。鼻の先はツンと冷めたい。
ツン。ツーン。鼻の奥に香る闇。
雪が降り積もったベランダ。シンとしていて明るい夜。
明るさの原因は降ってきそうな星たち。
群青色の夜空に輝くオリオン座が、枯木に網をかけていた。

シン。シーン。無音なのに耳に響く音。
青い色が群れて出来る、濃くて深い夜の色。
明るさを感じてしまう雪の白。鼻の先はツンと冷めたい。
ツン。ツーン。鼻の奥に香る闇。



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