はじめに


2021年の幕開けにふさわしい連載を考えていました。withコロナの時代ともすれば、胸が重苦しくなります。そんな時、深呼吸をして、はなうたでも歌えたら健康になれそうだと気がつきました。で、20年前に絵本にした「はなうた巡礼」を取りあげます。絵本は現在絶版になっているので、私のエッセイや作品解説、そしてつぶやきを入れて、雑誌のような構成にしてみます。
はなうたのおもしろさは、知らず知らずのうちに口ずさんでいて、次の歌詞が出てこない時に、初めて歌っていたことに気づかされるところです。そんな時は、気分のよい時が多いですね。
ごく自然に口をついて出てくる歌は、ある時期に熱狂した何らかの時代色を帯びたものであるはず。私は母の希望で2歳4ヶ月から童謡を習っていました。おこちゃん時代のことです。詞の意味を知らないまま、"知っている"曲として歌っていた懐かしい曲は とても<はなうた的>なものだといえます。毎週木曜日にUPします。 4月1日のエイプリルフールまでお楽しみ下さい。

2021年1月7日  山本容子




『かごめかごめ』1998年 ソフトグランド・エッチング、グワッシュ / 紙 20×16cm  ©️Yoko Yamamoto


Artist's Notes:
子どもの頃、夢中で「かごめかごめ」をして遊んだが、「かごめ」という言葉は、歌詞の「かごの中の鳥は」から<籠>か、皆で中央の人を囲む遊び方から<囲む>ことだと思っていた。ところがこの絵を描くにあたって、「かごめ」とは<かがめ>、つまり、しゃがめという意味だと知った。そこで、<籠> <囲む動作> <かがむ人> (※左)を絵にした。「うしろの正面だァれ」と、遊ぶ時は必ず輪の中の人が自分で目隠しをするのがこの遊びのルール。しかし、見てはいけないと言われたら、必ず見たくなるものだ。女の子と兎(※右)が、指の隙間から見ている。

   


それにしてもなぜ <鶴と亀とすべった> の?
つるつるの状態とは、地面が凍っていたの?
雪解けが凍った。<よあけのばんに> 何時のことだろう?
暗闇の凍りついた路面で遊んでる?
<うしろのしょうめん> はおばけだ!
こわがらせて遊んでいたのですね。
鶴と亀はおばけにビックリしてずっこけたのか。



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