LUCAS MUSEUM|山本容子美術館 

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TITLE:【Gallery】Let's go to my gallery 〜おこちゃん〜

September 24.2020


2 『こいぬがすきなのね。』


©️Yoko Yamamoto


白黒写真のアルバムには、堺市の大浜海岸で遊ぶ姿が、毎年貼られている。
海と砂場、ここで手に入れるモノは大切な宝物だった。
現在は埋め立てられて、海岸は遊泳場ではなくなった。
今の私は毎年、堺市の依頼で中学生のアートクラブグランプリという
アート作品の審査員としてこの場所に通っている。
この仕事が海浜工業地帯に眠っている子供の頃の記憶を思い出す機会になっているので、
巡り合わせた時間に不思議な思いを抱く。

私にはマーコという妹がいるが、
今は消えさった海の近くの南海野球場の話が出来る少ない話し相手だ。
その球場は、子犬の捨て場所でもあった。
私の遊び相手はスピッツのゴロー。生まれた時からの世話役だった。
夕方、ゴローと海から帰る時、ワンピースのすそを広げて子犬をひろって帰っては、
家族に問題を運んでいた。

絵本の絵を見ると白いスピッツのゴローは、今、横にいる、
ラブラドールのルカにそっくりで、びっくりひっくりかえった。

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TITLE:【Gallery】Let's go to my gallery 〜おこちゃん〜

September 17.2020


1 『びっくりするのが好きなのね』


©️Yoko Yamamoto


「おこちゃん」というのは、幼い私が「ようこ」という名を「よおこ」と覚えて、
自分のことを呼ぶのに「よおこ」は長いので「おこ」ちゃんと言ったことからはじまった呼び名。
だということを母から聞いた。

絵本「おこちゃん」は母との日常問答から生まれた。
合わせて白黒写真の誕生からのアルバムを繰って母に質問した。
そんなエピソードの数々を使って、子供の頃の日常を描いた。
ただし、見開きページに描く絵と言葉が一体感をもち、肉声のような体温を伝えたいと思った。
それで歌いながら読んでほしいと、言葉にリズムをもたせることにした。
だから、満3歳から習った童謡の曲を下敷きにしたのだった。
子供だった人が皆知っている曲を思い出して
「ぞうさん」(まど・みちお 作詞 / 團伊玖磨 作曲)に重ねて言葉をつむいでいった。

まずは、おこちゃんの顔の説明からはじめたのだけど、
かあさん、とうさん、そして家族の顔を思いうかべると、
皆どこか似ていて性格と共通する点の多いことに驚いて、
ファミリーを思い出すと必ず「びっくり ひっくりかえるエピソード」を書きとめていった。
ひとつひとつのエピソードはおこちゃんとファミリーの合作だ。
大家族で暮らしていた大阪堺市の海のそばの一軒家での出来事だった。

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Posted by: lucas

TITLE:【Gallery】Let's go to my gallery 〜おこちゃん〜

September 10.2020


『おこちゃん』
著者:山本容子
本体価格:1,460円(税別)
小学館 1996年発行
詳細はこちら


はじめに


「おこちゃん」(小学館 1996年)は、私の子供時代の本当のお話を絵本にしたものです。
昭和30年代はじめの頃のこと。連載3回目はこの本をとりあげます。
withコロナの時代、当初は驚いてばかりいました。
恐怖も味わいながら、少しずつ生活が変化しています。
そんな中、子供時代を思い出す機会が増えていることに気がつきました。
大家族に教えてもらった知恵を頼りにしている自分を再発見しています。
絵と共に生きる勇気を与えてくれる驚きを見つけましょう。

はじめに、「子ども力がいっぱい」(光村図書 2008年)
—河合隼雄が聞く、あなたが子どもだったころ— に収録されている
私へのインタビュー対談から、河合さんがインタビューを終えて書いて下さった
文章の冒頭を引用させていただきます。(P.32)



驚きのない人生というのは、実につまらないと思う。
山本さんの人生は「びっくり」に満ちている。
そして、ひとつひとつのびっくりのなかに、山本さんの個性が輝いているのだ。
びっくりのなかから個性が生まれ、個性がびっくりを生み出している。


山本さんが子どものときから、これほどのびっくりを享受できたのは、
やはり家族の力が大きいと思う。大家族のもつ懐の深さと多様さが、
山本さんの生み出す「びっくり」を見事に消化してゆく。
ここで家族の容量が少しでも小さいと、びっくり児はただちに
「問題児」に転落させられることを知っていなくてはならない。


今回のおこちゃんの連載は毎週木曜日にUPする予定です。
そろそろ外出仕事もふえてきました。
展覧会や講演会、学校や会議、そしてコンサートなどで
お目にかかれる機会が戻ってきました。
withコロナは忘れずに、でも会った時は元気にあいさつしましょうね。
山本容子

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Posted by: lucas

TITLE:【Gallery】Let's go to my gallery 〜チューリップ畑をつまさきで〜

September 06.2020


15 『森の合唱』


©️Yoko Yamamoto


「チューリップ畑をつまさきで」
この言葉と音楽から発想した物語もおしまい。
森の合唱のために、久し振りにピアノの前に座り、
"Tiptoe through the tulips with me"
の楽譜を見ながら音を出してゆきました。
そしてはじめて訳詞をしました。
この絵本を閉じる前に、鼻歌を歌ってほしいと願って。
そんな少女がどこかにいると信じて。
声はこだまになって、山のむこうまでひろがってゆくことでしょう。

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TITLE:【Gallery】Let's go to my gallery 〜チューリップ畑をつまさきで〜

September 03.2020


14 『チューリップの秘密』


©️Yoko Yamamoto


カオリとバナナは感動しました。
「森のチューリップが歩けるのは、わたしたちが砂漠を旅したチューリップの
ラーレとシンシアの子孫だったからなのね」
「王様がラーレをみて、しあわせな気持ちになったように、
たっぷりの愛をうけて元気に育ったキューコンは、
みんなの心をやさしくなぐさめられるチューリップになるんだわ」

森はもうすぐ春。
はやくかえって、チューリップがみんなの心をしあわせにできる秘密をはなしてあげなさい。
キューコンチョーがそっとあたまをおろしました。
カオリとバナナは森へ帰ることができます。

チューリップが歩けるとは植物の分布図が変化することなのですが、
悠久の時間をかけて少しずつ移動していると想像すると楽しいイメージになりました。

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Posted by: lucas

TITLE:【Gallery】Let's go to my gallery 〜チューリップ畑をつまさきで〜

August 30.2020


13 『チューリップと王様』


©️Yoko Yamamoto


まずは「チューリップと王様」という物語を読んでください。
絵の中ではラーレが朗読してくれたことになっています。
子供の頃、叔母のヒザに頭をのせて、絵本をしっかりと持ち
「むかし、むかし」と叔母が読んでくれる物語が大好きでした。
叔母の声はだんだん物語の中のヒトやドウブツの声になっていきました。
大好きな場面は良く覚えているのに、
何度も同じ本を座布団と共に叔母に持っていったと母から聞きました。

カオリとバナナはキューコンのときから歩けましたね。
このページでは「歩けるチューリップの秘密」と
「王様はなぜさみしい顔をしていたのか」の理由を書いています。
昔、河合隼雄さんと絵本をテーマに対談したことがありました。
河合さんは、私の描いた「おこちゃん」という絵本を持って講演をして下さったそうです。
それはなぜか。河合さんは私の子供の頃の
「ヒミツをあかすエネルギー」が大好きだったからだとおしえてくださいました。

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Posted by: lucas

TITLE:【Gallery】Let's go to my gallery 〜チューリップ畑をつまさきで〜

August 27.2020


12 『トルコの宮殿』


©️Yoko Yamamoto


カオリはバナナを大広間につれていきました。
バナナは部屋中がチューリップ畑のようだと驚きます。
さてここからが、この本で一番不思議なところです。
この物語はチューリップのキューコンが主人公でしたから、ここまでは地味なトーンなのです。
チューリップと聞くと当然、あか、しろ、きいろの花をイメージしますが、
物語の後半、やっとチューリップの花が咲いたのです。
カオリの白い花。バナナの黄色い花が顔を出しました。
一年という時間が経過したのです。キューコンと花の姿がやっと描けました。

私はチューリップの芽生えを富良野のパン屋さんの庭で観察していました。
やわらかで透きとおるような若葉、
そしてその中に包まれていた緑色の花を愛しく見続けた日を思い出します。

花が咲いた報告をキューコンチョーは「ラーレさまー シンシアさまー」
とチューリップの妖精と女王様に呼びかけてなきました。

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TITLE:【Gallery】Let's go to my gallery 〜チューリップ畑をつまさきで〜

August 23.2020


11 『トルコの広場』


©️Yoko Yamamoto


カオリは何日もかけて宮殿のすべての部屋を鑑賞し、最後に塔のてっぺんに登りました。
塔から見おろした海を見て、バナナが海におっこちたことを思い出しました。

バナナは、トルコ行の船の上から宮殿を見つけて思いました。
宮殿の屋根はキューコンのカタチをしています。
きっとカオリはあそこにいるにちがいないと。

トルコのイスタンブールには、アヤソフィアという世界遺産の建物があります。
私が旅をした時は、博物館でした。
6C東ローマ帝国時代にキリスト教正教会の大聖堂としての建設を起源として、
15Cからはイスラム教のモスクとなり、20Cに博物館になりました。
2つの宗教の様式が重なっている建物は、いつも夕陽に輝いているように真赤でした。
内部の壁面全部にイスラム文字が描かれていましたが、
修復中の柱の上部のイスラム文字の下から、
金髪でブルーの瞳をした天使が顔をのぞかせた光景は忘れられません。
まるで、止まっていた時間が動き出したような不思議な気持ちになりました。
ドーム状の屋根のカタチをキューコンと見立てると、
カオリとバナナが出会う絶好の場所だと思ったのです。
さて、やっとカオリとバナナは出会えることになりました。よかった。

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Posted by: lucas

TITLE:【Gallery】Let's go to my gallery 〜チューリップ畑をつまさきで〜

August 20.2020


10 『トルコのさみしい王様』


©️Yoko Yamamoto


トルコの宮殿は天井が高いので、カオリは昼はキューコンチョーに乗って見物。
夜はキューコンチョーがベッドです。さみしくなんかないと強がっています。
そんな中、さみしそうな顔をした王様の肖像画をみつけました。
王様のターバンはチューリップのお花みたい。
王様の椅子もチューリップの模様だと気がつきました。
チューリップが大好きだったのかしら?でもどうしてさみしい顔をしているの?
とカオリは王様にささやきかけました。

トルコのチューリップのことを調べていたら、
オスマン帝国の歴代君主の肖像画をみつけました。
13Cの第1代オスマン1世から、18Cのマフムト2世までの30代にわたり、
王様は白い立派なターバンを戴冠した姿で描かれています。
ターバンを、白いチューリップが赤いチューリップを抱いた姿だと考えたとたん、
物語がまた動きだしました。

肖像画の中で15Cの第7代メフメト2世は、
コンスタンティノープル(イスタンブール)を攻略して
ビザンツ帝国(東ローマ帝国)を滅ぼしてオスマン帝国を広げたことで有名ですが、
彼も同じターバンを頭にのせて、手には小さなバラの花を持ち、その香りをかいでいます。
りりしい顔をしていますが、瞳には哀愁が感じられました。
で、王様とチューリップの関係を想像してみたくなりました。
モデルは第11代セリム2世です。やさしくてさみしそうな顔の秘密とは?

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Posted by: lucas

TITLE:【Gallery】Let's go to my gallery 〜チューリップ畑をつまさきで〜

August 16.2020


9 『ものしりカカオ王子』


©️Yoko Yamamoto


やしの実のまねをして南の島に流れついたバナナは、こざるのセンとダンスに夢中。
ずいぶんと上手になった頃、バナナはキューコンチョーから海におっこちたことを思い出しました。
キューコンチョーは、トルコまでヒトットビーってないていました。
カオリはトルコにいったのかしら。トルコってとおいところ?
とセンに聞くと、ものしりのカカオ王子のところにつれていってくれました。

南の島はカカオ王国でした。
あいさつをすると、王子はバナナという名前を聞いて、
カカオ王国は、バナナの木がつくるこかげに守られているので、
カカオがおいしくそだつことを教えてくれました。
だからカカオはチョコレートになれるのです。
チョコレートはカオリの大好物、バナナはカオリに会いたくなりました。
すると王子はカカオをはこぶトルコゆきの船にバナナをのせてくれたのです。さて出航!

バナナとカカオとトルコとカオリが結びつきました。
このようなアリスの連想ゲームは大好きです。

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Posted by: lucas
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