昨日は朝からの慈雨のおかげで、学習院大学の小径も午後の日射しで輝いていました。

28年前の辻邦生さんとの2年と半年間の時の流れは、一緒に制作した2冊の本の思い出と共にたくさんの方々に聞いていただきました。話しながらこんなに濃密な時間だったのかと驚き、胸に迫るものがありました。

彼から送られた6通の手紙を朗読しましたが、あふれるような励ましの言葉に、当時を読みかえしつつエールをいただいていた事を思い出していました。

「花のレクイエム」と「光の大地」という2冊の本は、阪神淡路大震災とオウム事件のただ中で生まれ、それぞれ「雑誌」と「新聞小説」で発表され、その後書籍になりました。1995年1996年を思い出させてくれつつ、辻さんの、時代に対する警鐘も聞こえます。

私の仕事としては、しなやかに本の中に同化してゆく銅版画の制作過程をお伝えしました。学習院大学資料室の皆様にも、お礼を申し上げます。

辻邦生さんを偲んで。 山本容子

両端の女性は当時の秘書たち。白シャツの青年は21歳のアーティスト、現在のスタッフ、桃君。

第二部の辻邦生作「春の戴冠 」の朗読劇をした大学生達。朗々とした声に魅了されました。

講演会場前のエントランスホールで展覧会をしました。楽譜立てを使って軽やかな展示空間になりました。

「光の大地」シリーズで光り輝いていました。「光の大地」本と、新聞の切り抜き。

「花のレクイエム」から、5点の花の銅版画と本。辻邦生さんの肖像画。30年前に銅版画で描きました。