『どんぐりころころ』1999年 ソフトグランド・エッチング、グワッシュ / 紙 20×16cm  ©️Yoko Yamamoto


Artist's Notes:
♪どんぐりころころドンブリコ…… と歌いながら、私はなぜか〈どんぐり子〉というものをイメージしてきた。左上から「どんぐりころころ」と転がるどんぐりを描いたが、顔があるものよりも後ろ姿(※左)のほうが〈どんぐり子〉らしいと思う。笠が裾を刈り上げた子どもの髪型のようではないか。画面左は、「お池にはまっ」たあと、「泥鰌が出てきて今日は(※右)」をしているところ。しかし、「やっぱりお山が恋しい」と泣き出した(どんぐり子)を、泥鰌が困った顔つきで見守るのがその下の絵である。上部は本物の葉っぱのフロッタージュ。葉脈を画面に写し取った。

     


どんぐりのオカッパかつらをはずすのが好きだった。はがしたら、またはめてあそんでいた。
かつらをとると、日焼けしていない生っちょろい部分に弱点を見つけて愛しくおもったこともあった。
ピーナツや二枚貝を割ってまたもどす快感に似て、ピタリとはまると、ひとつの仕事が達成した満足感があった。
1976年、24歳の私は「peanuts」という銅版画の小品を制作した。動機はどんぐりにあったのね。


『Peanuts』1976年 エッチング / 紙   14.5 × 29.5 cm  ©️Yoko Yamamoto



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