5 『秋の森−キューコンチョー』


©️Yoko Yamamoto


地味な球根の少女二人の物語がはじまります。

土の中に眠る球根に旅をさせたいと思い、キューコンチョー(球根鳥)という架空の鳥を登場させました。
「はじめに」に書いたように、まずは、「チューリップ畑をつまさきで」というジャズの音符絵を描きましたが、
その時イメージしていたのは、「オランダの風車とチューリップ」の風景写真のような、
子供の頃に庭に咲いていたチューリップでした。

が、いつも通っている美容室で、白くて長い可憐なチューリップが一輪挿しで咲いていたのです。
シンシアというチューリップだと聞いて、調べました。ら、トルコ原産のチューリップの原種だとわかり、
物語が動きだしたのでした。

チューリップのキューコンをふるさとのトルコまで連れていかなくてはと思いました。
だから二人を運ぶキューコンチョーにはトルコ風のターバンを巻いたのでした。