8 『カオリとトルコのタイル』


©️Yoko Yamamoto


キューコンチョーはトルコまでヒトットビ。
カオリをトルコの宮殿の中庭におろしました。
キューコンチョーがそっと頭を下げると、
ターバンがくるくるとほどけてジュータンの道になりました。
冬なので庭はさみしそうでしたが、宮殿の中はタイルに描かれたチューリップの絵で満たされていました。
カオリはタイルに描かれたチューリップの中に白いチューリップを見つけ、妖精のシンシアだと感じ、
赤いチューリップは森に春をつれてくるチューリップの女王ラーレだと思うと、不思議な気持ちになったのです。
そして、ラーレとはトルコ語でチューリップという言葉だと知りました。

私も10年前にトルコのイスタンブールでたくさんのチューリップ模様を見つけた時、
なぜか神聖な気分になったことが、この物語の入り口になりました。
特にブルーモスクの礼拝堂の2階には、女性専用の部屋があり、
壁全体が様々なチューリップ柄のタイルで埋めつくされて圧倒されました。
宮殿のモデルはもちろんトプカプ宮殿です。