6 『おふろがすきなのね。』


©️Yoko Yamamoto


大事件の話です。
おまんじゅう事件のおばあさんはまささんといいます。
キレイ好きなまささんは、おふろがおすきでした。
まずは日本手拭をギュッとかたくしぼり、垢こすりをします。
江戸っ子のまささんの子供の頃からの習慣だったことは後で知り、その健康法に驚きました。
が、痛かったことは憶えています。でも、湯船の中で手拭をつかってあぶくをとじこめる遊びが大好きだったので、
まささんとおふろに入るのが好きでした。しっかりあたたまるまではいっていることが大切だったのでしょう。
湯船にはいろんなものがプカプカ浮いていました。

ある時、気持ちが良くなって湯船でウンチをしてしまったのです。
ウンチもプカリプクリと浮かんでいたそううですが、
おまささんはビックリして早速得意の風呂掃除をしたという事件。
なのですが、この絵本を読んだ子供が、
「おこちゃんのまねをして困っています」という手紙が出版社に届き、
笑い話の手紙の中に本気で怒っている母親からの「このページをカットして下さい!」という
エスカレートした手紙まであって、当時の編集者との相談話は複雑でした。
だって、作者としては、子供に直接私の話が届いた喜びの証となった事件だったからです。
赤ちゃんも満ちたりた気分になった時、お湯の中でウンチをするでしょう。
幸せのバロメータですね、と返事をしました。