TITLE:【Gallery】Let's go to my gallery 〜詩画集プラテーロとわたし〜
12 『子守娘』
©Yoko Yamamoto
「五月の時はきらめき揺れる」これは波多野さんの訳した言葉。
耳に届くのは「牧草地で動物たちが鳴き交わす声 海からの風がさんざめく音 ユーカリの茂みのざわめき」
こんな中、炭焼き小屋の娘が子守歌を歌う。
大萩康司さんのギターは風の音をかき鳴らす。
CDを聴きながら、眼をつぶってほしい。
12 『子守娘』
©Yoko Yamamoto
「五月の時はきらめき揺れる」これは波多野さんの訳した言葉。
耳に届くのは「牧草地で動物たちが鳴き交わす声 海からの風がさんざめく音 ユーカリの茂みのざわめき」
こんな中、炭焼き小屋の娘が子守歌を歌う。
大萩康司さんのギターは風の音をかき鳴らす。
CDを聴きながら、眼をつぶってほしい。
11 『友情』
©Yoko Yamamoto
ヒメネスとプラテーロの友情は、お互いがお互いを見つめあっている時間の重なりにあります。
ヒメネスの焦点とプラテーロのまなざし。
それらが交差する野原、青い空をイメージしてみる。
見る夢も同じだと信じているほどわたしたちはわかりあっている とヒメネスは書きました。
10 『カナリアが飛んだ』
©Yoko Yamamoto
このシリーズでは銅版をさまざまなカタチに切りぬいた。
枝と枝の間の空のような。道のような。
抽象的な空間のようなカタチと、花・動物の足といった具体的なカタチ。
全部が同時に存在する時空間をキャッチしなければと思ったからです。
ここでは真中にプラテーロの空をけっとばした足があり、
その空を飛びつづけていたカナリア、あるいは羽を休めたカナリアがいた時間を描いてみました。
9 『四月の田園詩』
©Yoko Yamamoto
プラテーロは子供たちと一緒に山から戻ってきました。
背中には風鈴草をいっぱいのせて。
プラテーロはその黄色い風鈴草をくわえては、青葉色のよだれをみせて食べます。
「四月の午後は移り気」です。雨がふったかと思えば夕陽が沈んでゆくのも見えるのです。
プラテーロの鳴き声が優しくひびくところが描きたかった。
8 『春』
©Yoko Yamamoto
朝のまどろみのとき。
小鳥たちの自由なコンサートの様子を詩はとらえています。
「朝がきた!太陽が大地に金と銀の喜びをまき散らす」と波多野さんは訳しています。
そうして「野原は鼓動しわき立ち叫びはじめる、新しい健やかな命」の誕生する春ですね。
7 『戻り道』
©Yoko Yamamoto
ヒメネスのかぶっている帽子は詩の中からイメージして描いたのですが、
波多野さんがこの絵をみた時、驚いた声で「わたしのイメージの中の帽子と一緒!」と発しました。
絵を描く喜びを実感した一瞬でした。
ヒメネスが手に持っているのはアイリス。
あたたかく爽やかな夜がふけゆく中ますます香りは強くなり、それを暗闇の香りとヒメネスはたとえます。
6 『つばめ』
©Yoko Yamamoto
モンテマヨールにやってきたつばめは聖母の絵姿のところに巣をつくりました。
でも、今の地球のように気候変動がおきていたのでしょうか。
オレンジの花がつぼみのまましおれるくらいとても寒くて、
つばめが死んでしまわないかしらとプラテーロは心配しています。
モンテマヨールの聖母は波多野睦美さんに似てしまいました。
5 『お告げの鐘』
©Yoko Yamamoto
海外を旅すると、ある時刻に鐘の音に包まれることがあります。
ヒメネスはその音をバラの花にたとえました。
鐘の音に包まれた時、すべては輪かくを失ない優しくなります。
プラテーロの瞳のように。
4 『エル・ロコ 狂った男』
©Yoko Yamamoto
狂った男ってプラテーロに乗ったヒメネスのこと。
子供たちは奇妙な男がロバに乗っている姿に向ってくりかえし叫びます。エル・ロコ と。
叫びはこだまとなって野原や空にひびき、そして静けさと安らぎがやってくるのです。
声のひびきを描いてみたいと思いました。
3 『夕暮れの遊び』
©Yoko Yamamoto
スペイン語で貧しい少女が歌っています。闇をぬって流れる水晶の糸のような声で。
仲間にきかせているのでお姫さま気どりだとか。
「プラテーロとわたし」のCDには波多野睦美さんの歌う澄んだ声が流れます。