TITLE:【Others】読売新聞 夕刊 「たしなみ」挿画
2012年4月から読売新聞夕刊の隔週火曜日に、現代の人間関係のありようや世相を考えるエッセーを集めた「たしなみ」のコーナーの挿画を制作しています。
2021年4月からの作者は星野博美さん(作家・写真家)、小川糸さん(小説家)のお二人です。9年目に入った連載を引き続きお楽しみください。
©Yoko Yamamoto
読売新聞夕刊「たしなみ」挿画、2021年9月22日のテーマは「老いた兄妹が会う時のマナー」星野博美さんです。
2012年4月から読売新聞夕刊の隔週火曜日に、現代の人間関係のありようや世相を考えるエッセーを集めた「たしなみ」のコーナーの挿画を制作しています。
2021年4月からの作者は星野博美さん(作家・写真家)、小川糸さん(小説家)のお二人です。9年目に入った連載を引き続きお楽しみください。
©Yoko Yamamoto
読売新聞夕刊「たしなみ」挿画、2021年9月22日のテーマは「老いた兄妹が会う時のマナー」星野博美さんです。
『映画 勝手にしやがれ 口絵』1988年 ソフトグランド・エッチング、手彩色 16×12cm ©Yoko Yamamoto
2021年9月6日。
フランスの俳優ジャンポール・ベルモンドが亡くなった。88歳だったというが、私のイメージは映画「勝手にしやがれ」の主人公ミシェル・ポワカールのままだ。ソフト帽をかぶり、煙火を指にはさんだまま、親指を唇にあててグルリと回す。そのしぐさを版画にしたくなった。消えてしまわないように、いつでも見ることが出来るようにと。
テレビにVHSのカセットを入れて映画を見ながら直接、銅板に描いていった。テレビの前に卓袱台を用意して、彼の唇シーンが出るとリモコンを一時停止させる。ところが描いているうちに一時停止は震えだして映画がはじまってしまう。すると巻き戻しをして、また彼と対面。こんな動作を繰り返して、ショートヘアの愛らしい新聞の売り子、ジーン・セバーグも描いた。もちろん自分の姿を重ねて。二人のフランス語を聴きながら、とても自然で自由な気分になったことを覚えている。
1988年、私は36歳だった。
山本容子
『映画 勝手にしやがれ1』1988年 ソフトグランド・エッチング、手彩色 22×36.5cm ©Yoko Yamamoto
『映画 勝手にしやがれ2』1988年 ソフトグランド・エッチング、手彩色 22×36.5cm ©Yoko Yamamoto
『映画 勝手にしやがれ3』1988年 ソフトグランド・エッチング、手彩色 22×36.5cm ©Yoko Yamamoto
『レストラン「ル ゴロワ」のレシピから 季節のごはんと暮らし方』という待望の本が誕生しました。
1997年、「ル ゴロワ」というフレンチレストランが、表参道の裏通りに開店した時からお世話になっていました。徒歩百歩くらいの場所にアトリエを借りている時期で、私の犬のルーカスが、散歩の時マダムに水をもらったり、夕食時にはスープをとった後の牛の骨をシェフからいただいたり、もちろん私の胃袋のお世話もしてもらっていました。ご近所つきあいがはじまったのです。
13坪の小さなレストランには、カウンター12席、窓側にテーブル一卓がありました。いつも満席の「パリのごはん屋さん」のように、常連で大賑わいの旨い店。店に入るとマダムの敬子さんの笑顔で出迎えをうけ、カウンターの中からは忙しいシェフが鍋をいくつも動かしながらペコンとおじぎをしてくれました。はじめてカウンターの隅に座った時、右横の壁にペンのキズを見つけた私は、そのペンの続きが描きたくなって犬のルーカスの落書きをしたのが、お二人と親しくなるきっかけでした。
犬のルーカスを連れてシェフの「特製ル ゴロワ風サラダ」をワインと共に注文し、パティシエでもあるマダムの「グレープフルーツプリン」で締める日常飯の、胃袋も心もあたたまる夕食は疲れをふきとばしてくれたのでした。
思い出がありすぎるので、続きはまた書かせて下さい。
山本容子
『レストラン「ル ゴロワ」のレシピから 季節のごはんと暮らし方』
朝日新聞出版 1,500円(税別)
コンサートのお知らせです。
「プラテーロとわたし」全曲、大萩康司さんギター演奏と波多野睦美さんの朗読と歌。
そして山本容子の原画全点がコンサートホールの壁面に投影されます。
チケットも販売されました。
ご予約はこちらから!
ーーー
■日時
2021年10月24日(日) 開場12:30 開演14:00
*13:00より銅版画作家 山本容子によるプレトークあり
■会場
秋吉台国際芸術村コンサートホール
■料金
一般3,000円 ユース(25歳以下)1,000円(秋吉台フレンズネット会員は2割引)
■出演
大萩 康司(ギター)、波多野 睦美(メゾソプラノ、朗読)、山本容子(銅版画、トーク)
2012年4月から読売新聞夕刊の隔週火曜日に、現代の人間関係のありようや世相を考えるエッセーを集めた「たしなみ」のコーナーの挿画を制作しています。
2021年4月からの作者は星野博美さん(作家・写真家)、小川糸さん(小説家)のお二人です。9年目に入った連載を引き続きお楽しみください。
©Yoko Yamamoto
読売新聞夕刊「たしなみ」挿画、2021年9月8日のテーマは「香りのマナー」小川糸さんです。