TITLE:【Others】読売新聞 夕刊 「たしなみ」挿画
2012年4月から読売新聞夕刊の隔週火曜日に、現代の人間関係のありようや世相を考えるエッセーを集めた「たしなみ」のコーナーの挿画を制作しています。
2020年8月からの作者は星野博美さん(作家・写真家)、恩田侑布子さん(俳人)のお二人です。9年目に入った連載を引き続きお楽しみください。
©Yoko Yamamoto
読売新聞夕刊「たしなみ」挿画、2020年8月4日のテーマは「トノサマと暮らすマナー」恩田侑布子さんです。
2012年4月から読売新聞夕刊の隔週火曜日に、現代の人間関係のありようや世相を考えるエッセーを集めた「たしなみ」のコーナーの挿画を制作しています。
2020年8月からの作者は星野博美さん(作家・写真家)、恩田侑布子さん(俳人)のお二人です。9年目に入った連載を引き続きお楽しみください。
©Yoko Yamamoto
読売新聞夕刊「たしなみ」挿画、2020年8月4日のテーマは「トノサマと暮らすマナー」恩田侑布子さんです。
5 『秋の森−キューコンチョー』
©️Yoko Yamamoto
地味な球根の少女二人の物語がはじまります。
土の中に眠る球根に旅をさせたいと思い、キューコンチョー(球根鳥)という架空の鳥を登場させました。
「はじめに」に書いたように、まずは、「チューリップ畑をつまさきで」というジャズの音符絵を描きましたが、
その時イメージしていたのは、「オランダの風車とチューリップ」の風景写真のような、
子供の頃に庭に咲いていたチューリップでした。
が、いつも通っている美容室で、白くて長い可憐なチューリップが一輪挿しで咲いていたのです。
シンシアというチューリップだと聞いて、調べました。ら、トルコ原産のチューリップの原種だとわかり、
物語が動きだしたのでした。
チューリップのキューコンをふるさとのトルコまで連れていかなくてはと思いました。
だから二人を運ぶキューコンチョーにはトルコ風のターバンを巻いたのでした。
4 『夏の森ーカオリとバナナ』
©️Yoko Yamamoto
夏を迎えた森は、深い緑色におおわれます。
チューリップの花は咲きおわったのですが、この時土の中では、
来年咲くチューリップの球根の子供たちが育ってゆくのです。
主人公のふたりの女の子の球根を登場させました。
球根の性格を考えて、左側がシンシア種のカオリ。
友人の江國香織さんの名前をつけました。勝手にですが。
雪のように白いチューリップになりたいカオリです。
右側はラーレと同種の黄色いチューリップのバナナ。
友人のよしもとばななさんの名前をいただきました。ことわりもなく。
南の島の話を書いていらしたので、カオリと対称的な性格が出てくるのではと思ったのです。
このネーミングは初夢の中のことでした。
木の上には鳥のTUGUMI!冷たいチョコレートが好物のカオリと、ヨガをするバナナ。
地味な球根ですが、名前をつけたとたん二人のチューリップの少女の話が動きだしました。
3 『春の森ー女王のラーレ』
©️Yoko Yamamoto
今年も森に春が来ました。
雪解け。その水分を吸った球根は、光を浴びて土から芽が生えるのです。
太陽になっているのは、チューリップの女王のラーレ。
ラーレとは、赤い花という意味です。
「この森のチューリップは歩けます」なぜでしょう。ここが物語のポイントです。
ひみつを探ってゆきましょう。
森の中の馬、猫、犬は、実際森の中に住んでいる友人の飼っている動物です。
この家で真白の世界が消え、春の森に移りゆく時間を体験しました。
力強い生命の誕生のシーンです。
1 『ルーカスとチューリップ』
©️Yoko Yamamoto
あたたかな風に吹かれ、揺れているチューリップ。
その中でつまさき歩きをしているのは、鎌倉の海から私のアトリエに迷いこんできた犬のルーカス。
33年前の7月のことでした。
2 『冬の森ー妖精のシンシア』
©️Yoko Yamamoto
雪景色。でももうすぐ春を迎える森。北海道の富良野の森に通い、この物語の構想をねりました。
雪の下には様々な植物がねむっているはずです。チューリップの球根もきっと。
雪が溶けつつキラキラ輝いて舞いおりる姿に、妖精を感じました。
その妖精を、チューリップに春を告げるシンシアと名付けました。
シンシアはチューリップの原種名です。ルーカスは森の番犬として登場します。
2012年4月から読売新聞夕刊の隔週火曜日に、現代の人間関係のありようや世相を考えるエッセーを集めた「たしなみ」のコーナーの挿画を制作しています。
2020年6月からの作者は星野博美さん(作家・写真家)、恩田侑布子さん(俳人)のお二人です。9年目に入った連載を引き続きお楽しみください。
©Yoko Yamamoto
読売新聞夕刊「たしなみ」挿画、2020年7月21日のテーマは「人目のマナー」星野博美さんです。
新刊書籍
『チューリップ畑をつまさきで』
著者:山本容子
2017年10月 出版
本体価格1,500円(税別)
偕成社
詳細はこちらより
©️Yoko Yamamoto 「Tip-Toe Through The Tulips with me」2014年作
歌詞を訳してみた。
テレビ番組再放送のお知らせです。
深読み音楽会 井上陽水(59分)
8月13日(木)午後11:25から NHKBS4K
私の青春時代からの憧れの陽水さんの歌詞について深読みしました。
28 『モゲールの空にいるプラテーロへ』
©Yoko Yamamoto
プラテーロの魂と共に、モゲールの野山の魂も天に昇った。
思い出は「日ごとに より良く より穏やかに より澄んで」
ヒメネスの魂となって天に昇ってゆく。
土に眠るプラテーロの心臓から咲いたアイリス。
アイリスの前に佇むヒメネス。
プラテーロとヒメネスは、本の中で生き続けます。了
27 『メランコリー』
©Yoko Yamamoto
プラテーロの墓のある場所。
プラテーロの魂のように、アイリスの花から花へととびまわる
白い蝶が軽やかだ。